ランニング、ジョギングは薄毛対策として有効なのか?

抜け毛や薄毛の悩みを抱えている人は珍しくないかと思います。

しかし薄毛や抜け毛に関して困りこそすれ、どのような理屈で毛が抜けているのかがわからないため、ヤキモキしている方も多いのではないでしょうか。

原因がわからないからこそ、対策を講じることもできずに一人で悩んでいるだけという方も多いかもしれません。

一方ではいくつかの対策やよいとされる方法もあります。

ジョギングやランニングもその一つです。

ジョギングやランニングは健康面にもよい影響を与えてくれるものですが、一体髪の毛にはどのようなよい影響を与えてくれるのか、薄毛や抜け毛の原因とともに調べてみました。

薄毛や抜け毛の原因として推察されるもの

薄毛や抜け毛はいつ起きるかは体質・年齢によって異なりますが、いくつかのパターンが考えられます。

まずは自分自身の薄毛や抜け毛がどのような原因なのか、ある程度把握しておきましょう。

年齢を問わずに考えられるAGA

男性型脱毛症、「AGA(Androgenetic Alopecia)」はどの男性にとっても無縁ではありません。

近年ではテレビのコマーシャルにて「AGA」という言葉が使われているほど、知名度も高まりつつあります。

AGAは30代後半から40代にかけて発症しやすいとされていますが、10代後半や20代前半など若い世代であっても発症する可能性もあるのです。

AGAのメカニズム

AGAは還元酵素「5αリダクターゼ」が男性ホルモンの一種であるテストステロンと結合し、ジヒドロテストステロン(DHT)へと変化することで発症します。

DHTはヘアサイクルを乱す働きがあります。

ヘアサイクルは成長期・退行期・休止期と分類されるのです。

DHTによってヘアサイクルが乱れると、成長段階でありながら退行期や休止期へと強制的に移行してしまい、成長が終わっていない段階でありながら髪の毛が抜けてしまいます。

クリニックによる血液検査によってAGAかを確認できますが、青髭になるほど髭が濃かったり胸毛が生えている男性はAGAが発症しやすいです。

ストレスも抜け毛や薄毛の原因

「現代病」とも称されるストレスも薄毛や抜け毛の原因です。

強いストレスを感じると交感神経が緊張し、血管が収縮してしまいます。

結果として血行不良を招いて抜け毛や薄毛が加速します。

ストレスは抜け毛や薄毛だけではなく、体調そのものを悪化させるものですが、髪の毛にとってもよいものではありません。

ストレスを放置していると自己免疫疾患を招き、円形脱毛症を招くこともあります。

また髪の毛以外にも免疫が乱れることによって、自分自身の細胞を攻撃し体にさまざまな悪影響を及ぼします。

肩や首回りの緊張による血行不良

パソコン等、デスクワークのお仕事ではこちらが原因による抜け毛や薄毛の男性も多いです。

長時間同じ体勢でモニターを凝視することによって首回り、肩の筋肉が長時間緊張状態になってしまいます。

筋肉の緊張は血行不良を招き、抜け毛や薄毛も招きます。

肩凝りや首回りの疲れは筋肉痛の一種です。

筋肉への負担が血管を圧迫し、血流不良を招きます。

血液は髪の毛に栄養を運ぶ役割がありますので、頭部への通り道である首や肩回りが筋肉痛になれば頭部に運ばれる血液の量も減少します。

そのため髪の毛の生成・生育に悪影響を与えるのです。

栄養不足による薄毛や抜け毛

髪の毛を作る「原材料」は栄養です。

髪の毛を問わず、人間の体は水分と栄養によって作られています。

そのため栄養が偏って不足すれば、髪の毛の生成・生育にも悪影響が出るのは当然です。

髪の毛はタンパク質やアミノ酸によって作られていますので、普段の食事でそれらが不足傾向にあると抜け毛や薄毛を招くのも当然といえます。

タンパク質にせよアミノ酸にせよ決して摂取が難しい栄養ではありませんが、髪の毛以外にも使われる栄養素です。

摂取しているつもりでも、髪の毛にまで行き届いていない可能性もあるので抜け毛や薄毛を招いてしまいます。

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睡眠不足によって起こる薄毛や抜け毛

睡眠不足も薄毛や抜け毛の原因です。

人間の体は休息と修復と成長である新陳代謝を繰り返しています。

休息することで摂取した栄養を用いて修復と成長が決まりますが、睡眠時間が短ければ休息の時間も短くなるので、体に悪影響を及ぼします。

睡眠不足で肌荒れやニキビを招くのも同じ理屈です。

とくに睡眠中には成長ホルモンが分泌されるので、髪の毛や爪などがもっとも成長するなどとても貴重な時間帯です。

睡眠時間が短ければ「成長ホルモンによって成長する時間」が短くなりますので、髪の成長不足から、薄毛や抜け毛を招いてしまいます。

睡眠不足は髪の成長を妨げる!しっかり寝ることが抜け毛の予防につながります

頭皮に負担をかけているシャンプーの利用

頭皮を清潔にと心掛けることはとても大切ですが、使っているシャンプーが頭皮に合っていない場合、頭皮に負担を与えるだけでしかありません。

とくにドラッグストア等で販売されている安価なシャンプーには石油系界面活性剤やシリコンなど、安価で大量生産できる化学薬品が含まれています。

これらは洗浄力に優れているのですが、むしろ「優れ過ぎている」ため頭皮に余計なダメージを与えてしまいます。

皮脂は皮膚を守る役割を持っており、頭皮にももちろん皮脂があります。

洗浄力が強すぎる安価なシャンプーの場合、残しておいても良い皮脂まで根こそぎ落としてしまうのです。

その結果頭皮がかえって脂を出そうとしたり、あるいは乾燥を招くなど悪影響を与え、逆に薄毛や抜け毛を促進させてしまいます。

ジョギングやランニングの薄毛・抜け毛に期待されるメリット

薄毛や抜け毛の原因が見えてきたら、次はランニングやジョギングにはどのような効果が期待できるのかもチェックしてみましょう。

新陳代謝の活性化による改善

ジョギングやラニングを行うことで汗をかきます。

汗は体の老廃物なども含まれていますので、汗をかき新たに水分を補給することで体の中が綺麗になるデトックス効果が期待できます。

発汗によって新陳代謝が活発になるので、体に負担を与える成分が体の外に出ていきます。

髪の毛だけではなく、健康にも良い影響をもたらすのはそのためです。

特に日頃運動をしない人は体の中に様々な物が蓄積されていますので、発汗による新陳代謝の活性化は髪の毛を含め「健康」に良い影響を与えてくれます。

ストレス解消による抜け毛や薄毛の改善

ランニングやジョギング等で体を動かすことでストレス解消にも繋がります。

ストレスは抜け毛や薄毛の原因の一つですが、体を動かすことはストレス解消に繋がります。

ストレスは体に悪影響を及ぼすものですが、現代社会に於いてストレスを感じない生活を送るのは簡単ではありません。

仕事や人間関係等、ストレスの原因は身近な所にたくさん潜んでいます。

そこで求められるのがストレスを感じないことではなく、溜めないことです。

友人との時間や趣味の時間など、自分自身が楽しいと感じる時間を作ることでストレス解消効果を期待でいます。

ランニングやジョギングでは体も動かしますので、普段体を動かす機会がない人にとっては十分なストレス解消効果が期待できます。

記録等で目標を立てて実践できれば満足感が更なるストレス解消をもたらしてくれます。

また、ジョギングやランニングによってセロトニンが分泌されます。

セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンの量をコントロールすることでストレスを緩和しますので、ストレス解消効果にも繋がります。

体力を消費することによるライフスタイルの改善

ランニングやジョギングは体力を消費しますので、走った後は疲労感でいっぱいになる人も珍しくないでしょう。

ましてや普段めったに運動をしない人は、少し走っただけで疲労に襲われ、いつも以上に早寝ができたという話も珍しくありません。

しかし早寝によって睡眠時間・ライフスタイルの改善効果が期待できます。

それまで何をするでもなく夜更かししてしまい寝不足気味だったものの、ランニングやジョギングを始めてから程良い疲労感に包まれ、早寝早起きも期待できます。

結果、ライフスタイルの改善と共に睡眠時間の確保が成長ホルモンの分泌を促進し、薄毛や抜け毛にも良い影響をもたらしてくれます。

血流改善による頭皮への血流増大

ランニングやジョギングによって血液が綺麗にすることができます。

運動することで血液の中に含まれている糖分がエネルギーとして消費されますので、血糖値、血圧等の数値も改善します。

これによって頭部への血流効果も高くなるのです。

血糖値が高いと血液がドロドロになってしまうので、血流が悪くなります。

結果として末端部分にまで血液が行き届かなくなることで糖尿病を発症することにも繋がります。

ランニングやジョギングは、血流を改善できるので頭部にもより多くの血液が流れます。

血液が流れれば頭髪の生成に必要な栄養素もきっちりと運ばれるので、抜け毛や薄毛の改善効果が期待できます。

ジョギングやランニングで求められるのは「低負担」

ジョギングやランニングは薄毛や抜け毛改善への効果が期待できる一方で、闇雲に走ればよいものではありません。

「低負担」こそテーマです。

自分自身の最大脈拍数を把握して負荷を決めよう

「低負担」と言われても実際にどの程度の運動強度なのか分からないものです。
そこで一つの目安として、最大脈拍数を用いた計算で運動強度が見えてきます。

220-年齢

これが最大脈拍数と言われるもので、20歳であれば200、40歳であれば180。

そして、最大脈拍数の50%から60%程度の負荷の有酸素運動が理想です。

感覚としては「ちょっと大変」「このくらいなら長時間でもできる」といった負荷です。

ちなみにこれは1分間での脈拍です。

1分間数えるのが面倒な場合は6秒数えて10倍すれば大まかな脈拍数が分かります。

ある程度どのような負荷がかかっているのか、わざわざ1分間脈拍を数える必要はありません。

ゆるく長時間がコツ

抜け毛や薄毛の改善をと考えた時、自分自身を追い込むのではなく、あくまでも軽い負荷で長時間行った方が効果的です。

同じ3km走るとしても息が途切れるほど頑張って短時間で走るよりも、ゆっくりと走った方が高い効果が見込めます。

なぜなら体に酸素を取り込んだ方が、血流改善効果が期待できるからです。

短時間でも糖分をエネルギーにしますが、有酸素運動の継続はセロトニンを活性化させます。

ストレス緩和効果も高まるため、ゆったりとしたペースで長時間行う方が薄毛や抜け毛改善には効果的です。

同じ効果としてウォーキングやスイミング、サイクリングもあり

ランニングやジョギングだけではなく、最大脈拍数50%から60%程度の低負荷の運動には同じ効果が期待できます。

スイミング、サイクンリグやウォーキング等でも同じ効果が期待できますので、自分自身の運動神経や環境に合わせると良いでしょう。

また、いつも同じ運動ばかりでは飽きてしまうという人も、違う運動によってリフレッシュできます。

筋トレは残念ながら効果が期待できない

運動といえば近年は筋トレが大きな注目を集めています。

筋トレもまた、健康に良いのですが筋トレは有酸素運動ではなく、無酸素運動です。

「低負荷で長時間」の有酸素運動に対し、筋トレは「高負荷で短時間」です。

また、筋トレの場合、負荷をストレスだと感じてしまうこともあります。

地味な運動を黙々と続けることになるので、性格的に合っていない場合、大きなストレスとなってしまいます。

ジョギングで薄毛改善をもたらすために

ジョギングやランニングでより大きな薄毛・抜け毛改善を目指す場合、他にもいくつか気を付けておくべきことがあります。

これらを心掛けることで、改善効果がより高まります。

一日だけ頑張るのではなく継続しよう

ジョギングやランニングは薄毛や抜け毛改善に効果が期待できます。

しかし一日行って劇的に変化するのではなく、継続することで徐々に体質が変わり、薄毛や抜け毛の改善を期待するものです。

人間はおよそ三か月でターンオーバーします。ターンオーバーとは細胞が入れ替わることです。つまり、少なくとも三か月は続けるべきです。

ジョギングと共にライフスタイルにも気を付けよう

いくら継続的にジョギングやランニングに取り組んでいるとはいえ、その他の部分を疎かにしていては残念ながら効果が期待できません。

例えばジョギングしているからと暴飲暴食を繰り返していは効果は期待できません。

ランニングやジョギングだけではなく、ライフスタイルそのものも見直すことで薄毛や抜け毛への効果が高まります。

汗はしっかりと拭おう

ランニングやジョギングは体に良いことですが、走った後そのままにするのではなく、シャワーを浴びて清潔感を保ちましょう。

毎回シャワーを浴びるのが面倒な場合、せめて汗拭きシート等で頭皮の汗をぬぐうべきです。

せっかく運動しても汗で汚れた頭皮を放置していては、頭皮にとっては悪影響となってしまいます。

育毛剤を併用することで効果も高まる

ランニングやジョギングによって薄毛や抜け毛改善への期待値が高まります。

その上で、育毛剤等を併用するのも良いでしょう。

育毛剤は頭皮に優しいものや発毛促進、抜け毛防止など様々な効果が期待できます。

新陳代謝が活発になることで育毛剤の効果もより高まりますので、併用を考えてみるのも良いでしょう。

まとめ

ジョギングやランニングは薄毛改善効果が期待できます。

もちろん一度走ったからといってフサフサになる訳ではなく、長期的な視点が大切なので継続力も求められます。

しかし薄毛や抜け毛改善だけではなく、健康面にも良い影響を多々与えてくれます。

薄毛や抜け毛が気になり、何かを始めたいと考えているのであればランニングやジョギングこそオススメです。